「ごみ」を学ぼう①~産業廃棄物と一般廃棄物Ⅰ

取引先をまわっていると、お客様から

 

「産業廃棄物」と「一般ごみ」の違いは何?

 

廃棄物の分類が難しいから、簡単に教えて!

 

と言った質問をよく受けます。

 

確かに、一口に廃棄物といってもわかりにくいですよね(^^;

 

なので、今回から不定期で「ごみを学ぼう」というコーナーを掲載していきます!

 

ご興味があればご覧ください!

 

さて、今回は第1回ということで基本中の基本である

 

"「産業廃棄物」と「一般廃棄物」のちがい"

 

について書きたいと思います。

 

まず、大本となる「廃棄物」について見ていきましょう。

 

「廃棄物」の定義は廃掃法第2条第1項に記載されています。

 

 

 

(原文)

この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。

 

 

 

どうですか?つまり、「廃棄物」とはあくまで固形及び液状のものであって、

気体は該当しないのです!

ということはプロパンガス等をはじめとする気体については廃棄物処理の許可では取り扱えないということですね!

排出業者の皆様、どうぞご注意ください(^^)

 

つづいて、「一般廃棄物」と「産業廃棄物」について説明します。

 

まず、「産業廃棄物」とはなんなのでしょうか?

 

法文にはこう書かれています。

 

 

(原文)

この法律において「産業廃棄物」とは、次に掲げる廃棄物をいう。

 事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物
 輸入された廃棄物(前号に掲げる廃棄物、船舶及び航空機の航行に伴い生ずる廃棄物(政令で定めるものに限る。第十五条の四の五第一項において「航行廃棄物」という。)並びに本邦に入国する者が携帯する廃棄物(政令で定めるものに限る。同項において「携帯廃棄物」という。)を除く。) (第2条4項)
 
 つづいて、責任問題についてはこう書かれています。
 
 
(原文)
  事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。(法第11条)
 
 
…責任問題についてはともかく、定義については少しわかりにくいですね。
 
 
 
簡単にまとめます。
 
 
 
 
【産業廃棄物とは…】
①事業活動に伴った廃棄物であること(弁当のごみ等、直接製造等の事業活動に伴わないごみは除く)
②製造工程(使用後も含む)に排出される廃棄物であること(業種指定なし)
③特定の事業の製造工程から排出された廃棄物であること(業種指定あり)
④海外から輸入された廃棄物はすべて産業廃棄物
⑤「産業廃棄物」と「特別管理産業廃棄物」の2種類に分類される
⑥処理責任は原則として事業者自らに課される
 
 
 
以上6点を抑えておきましょう。
 
 
②と③に記載されている「業種指定」については少し複雑なので次回以降に説明いたします。
⑤の分類についても複雑なので、次回以降に説明いたします。
⑥については確実に覚えてください!許可については都道府県単位となります。

 

 

つづいて「一般廃棄物」です。

 

これについては法文にこう書かれています。

 

(原文)

この法律において「一般廃棄物」とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいう。(第2条2項)

 
 
…とてもシンプルですね(笑)
 
 
具体的には従業員さん達が休憩時にとられるお弁当のごみやジュースの缶、たばこの吸い殻
など、直接製造等の事業活動に伴わない廃棄物や家庭ごみが該当します。
 
責任問題についてはこう書かれています。
 
 
(原文)
市町村は、一般廃棄物処理計画に従つて、その区域内における一般廃棄物を生活環境の保全上支障が生じないうちに収集し、これを運搬し、及び処分(再生することを含む。第七条第三項、第五項第四号ハからホまで及び第八項、第七条の三第一号、第七条の四第一項第五号、第八条の二第六項、第九条第二項、第九条の二第二項、第九条の二の二第一項第二号及び第三項、第九条の三第十二項(第九条の三の三第三項において準用する場合を含む。)、第十三条の十一第一項第三号、第十四条第三項及び第八項、第十四条の三の二第一項第五号、第十四条の四第三項及び第八項、第十五条の三第一項第二号、第十五条の十二、第十五条の十五第一項第三号、第十六条の二第二号、第十六条の三第二号、第二十三条の三第二項、第二十四条の二第二項並びに附則第二条第二項を除き、以下同じ。)しなければならない。(法6条の2)
 
 
 
 
つまり、産業廃棄物と違って一般廃棄物の処理責任は各市町村が持つということですね。
 
 
 
 
 
 
ちなみに一般廃棄物は厳密には3種類に分かれます。
 
①事業系一般廃棄物(事業所等から排出されるごみ)
②家庭廃棄物(家庭から排出されるごみ)
③特別管理一般廃棄物(廃家電製品に含まれるPCB使用部品や感染性一般廃棄物等)
 
…③については特別管理廃棄物の回で説明いたします。
 
 
 
以上です。少しわかりにくいかもしれませんが、少しでも参考になれば幸いです(^^)
 
それではまた次回!
 
 
 
 
 
★今回のまとめ
 
1.「廃棄物」とは固体、液状のものであること!気体は含まれない!
2.「産業廃棄物」とは事業活動及びその製造工程に伴って生じた廃棄物のこと!
3.「一般廃棄物」とは、産業廃棄物以外の廃棄物であること!
4.「産業廃棄物の処理責任」は排出事業者に課される!(許可は基本都道府県単位)
5.「一般廃棄物の処理責任」は各市町村に課される!(許可は市町村単位)