江戸時代のリユース事情

改めまして、代表の北です。

今日は「リユース」の話です。

みなさんはリユースについてご存知でしょうか??

ほとんどの方はご存知でしょうが、念の為にリユースとは何かを書いておきます(^^)

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【リユース】

再使用すること。そのままの形態でもう一度使うこと。再利用。(デジタル大辞泉より)

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現在は3R(リユース、リデュース、リサイクル)等、循環型社会がすすめられるようになって久しく、

 

少しでもゴミが出ないように排出抑制(リデュース)をはじめ、ただの使い捨てをしない

 

リユース活動、不用品の単純処分を行わないリサイクル活動が各地で行われています。

 

資源枯渇が危ぶまれている現代にとって、この活動はとても有意義なものだと個人的には思います。

 

ところで、昔の時代はどうだったのでしょうか?

 

今回は江戸時代に焦点を当ててみたいと思います。

 

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今から400年前にはじまり、そこから260年もの間続いた江戸時代。

 

当時の日本全国の人口は約3000万人でした。

 

この数は現代の北欧4国(スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク)の人口数とほぼ同じです。

 

北欧と日本の国の大きさを考えてみると、割と多く感じますね。

 

しかしながら、現代と比べるとずいぶん少ない様に思えます(総務省の人口白書によると、平成26年の日本総人口は1億2700万人)。

 

これには多くの理由があるのですが、一番の原因とされているのがエネルギー問題です。

 

電気もガスもない江戸時代は、エネルギーは自然に任せるしかありません。

 

当時の熱源となるエネルギーはほとんど薪(木炭)のみでした。

 

江戸後期に書かれた「梅之春」という作品(作:為永春水 絵:歌川国直)には

 

夜、料理屋の板前がろうそくの明かりを頼りに薪をかまどの火に入れ料理をしている絵が描かれています。

 

このような姿が江戸の日常だったのでしょう。

 

風呂を沸かすのも、ごはんを炊くのも、明かりをつけるのも全て熱源は薪です。

 

エネルギーである薪を手に入れる為には、多くの木々を伐採しなくてはなりません。

 

15~16世紀の日本は長い長い戦国時代でした。

 

各国は守りを固める為に築城を繰り返し、多くの木々が伐採されました。

 

また、戦乱が収まった江戸の初期も新田開発を次々と行った為、多くの木々が伐採されました。

 

その為、17世紀半ばには一時期山林が荒れて周りの木々がなくなり、

 

各地で山の土砂が流出し、水害が多々起きる等、深刻な環境問題に発展しました。

 

そこで当時の江戸幕府は「山川掟(やまかわおきて)」という開発禁止令を出したのです(1666年)。

 

この一例でもわかるように、行き過ぎた開発はエネルギーバランス、生活環境を崩してしまいます。

 

現代の様に人工的に爆発的なエネルギーを作製供給できなかった江戸時代は、

 

自然と人口もそれに合う様に淘汰されていったのです。

 

その数が3000万人であったということですね。

 

ところで、江戸時代の特徴として興味深いところは、人口と同じく物価も給料もほとんど変動がなかったことです。

 

記録を見てみると17世紀半ばの、そば1杯の値段は16文でした。それから200年後の江戸末期の

 

そばの値段は20文。

 

一方、17世紀半ばの大工の給料と江戸末期19世紀半ばの大工の給料の差は約2倍。

 

このことからもほとんど経済成長が見られないことがわかります。

 

物価も給料もあまり変わらないのであれば、物を捨てるメリットはありません。

 

江戸時代の人々は、「ただ捨てる」という考え自体がなかったのです。

 

例えば当時の日用品で使われていた浴衣。

 

この浴衣はまず浴衣として着古した後、寝巻きにします。寝巻きとして使われなくなると、こどものオムツとして繰り返し使います。

そして、オムツとしても使えなくなると雑巾として使い、雑巾としても使えなくなると薪と一緒に燃料にしました。

 

この浴衣ひとつでもここまでリユースが徹底されていたのです。

 

経済が発展しないかわりに、単純に捨てられるものも少ないリサイクル社会。

 

それが江戸時代です。

 

経済成長はお金が回って成り立ちます。エコロジーは物が回って成り立ちます。

 

かつて高度経済成長期の日本は大量生産、大量廃棄によってお金をたくさん生み出しました。

 

しかし、それと同時にエコの心と習慣も廃棄してしまいました。

 

エコを心がけながら、経済も安定させる―

 

リサイクル事業が多くなっている現代はそんな世界を実現できるかもしれませんね!